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22/05/15, Sun

昨日買った"CMOS and beyond"本、よくみると、CambridgePressから出てる本の訳本のようだ。原著から3年後に出版されている。著者がUC BerkleyとIntelの人だけど、中国人だから早いんだろうか。いずれにしても原著(Amazon.comで6000円くらい)より格段に安い(99元)。

22/05/16, Mon

今日は午前から、学生さんの個別面談、授業(共同担当)、ゼミ、打ち合わせと、ほぼ1日、オンラインでミーティング。

22/05/17, Tue

安先生と、いろいろディスカッション。ちなみにオンラインの修士の判定会議を聞きながらで、指導している学生が優秀学生にノミネートされていて投票とかもあったみたい。ちなみに中国の学期は、6月末で後期がおわり、7-8月が夏休み、9月から新学期。

まずM5StackのCore2とかUnitVを知らないというので紹介。ここでやってるInnovationContestは3年生向けのPBLで、そことか1年生後期の演習にはいいかもしれない。「ただの箱にはいったArduino」じゃないことは触らないとわからないので、こんどデモることにした。UnitVについては、安先生自身の研究としてはカメラ信号を直接FPGA/SoCで処理する部分が専門だからカメラ信号だけほしい、んだけど、ユーザ視点での意義はわかってもらえたようだ。

PCB/PCBAは安先生もやっているそうだが、Seeedのことは知らないようだったので、紹介することにした。

今日はこれらでけっこう時間がたって(1時間半ぐらい話しづめ)ちょっと疲れたので、Google/Skywaterのことはまた改めて、ということにしたけど、Googleがああいうことを始めた一つの理由はリクルーティングじゃないかな、という話はしておいた。もちろん安先生の研究は画像処理SoCそのものなので、65nmとかの先端プロセスで、処理アーキテクチャを考えて自分で実装する、ということをやらないと論文をかけない、というのは、よくわかる。その一方で、研究室の方針として、シミュレーションや理論だけでなく、動くものまで仕上げる(FPGAやSoCやPCB)ことは重視している、とのことなので(その点については同意しかない)、そのあたりを教育と研究で住み分けるか、というところなんだろうな。

ちなみにアパートの近くにあるようなPolytechは、専門学校で、卒業生は工場労働者になる、ということらしい。回路でも半導体でも設計は大学卒、特に大学院卒、ばかりらしい。

M5Stackをこっちにきて初めて電源を入れた。大学のWiFiはSSIDに漢字が入っているからか、どうもつながらず、持ってきたWiFiルータをたててそこにつないで無事UIFlowの動作OK。

同じ建物の5Fにも同じ学科の部屋があるんだけど、そこには半導体の歴史みたいな大きなパネルがあった。

22/05/18, Wed

今日は午前に高須さんが大学に遊びに来て、軽く案内してた(このまえ自分が案内されたばかりなのに)。高須さんからの視点での感想が、なかなか興味深かった。具体的には「すぐにお金になるかどうかわからない研究」がけっこうある、という指摘。たしかに「実用化もうすぐ」「イノベーションの種」みたいなことを全面に出している研究はあまりなくて(本当はそういうのもあるんだろうけど、少なくとも全面には出してない)、半導体に関する基礎っぽい研究でもじっくりできる環境なんだろうな、という思う。これはもちろん研究資金や大学の運営資金に余裕があるからこそできるんだとは思う。もう1つは、研究者のダイバーシティがある、という点。たしかに女性教員はけっこう多いし、中国人以外はほとんどいないんだけど、海外の大学や企業での研究経歴がかなり多様。こういうことも、いい方に作用しているんだろうな。

これも高須さんからの話で、GoogleのOpenSourceSiliconというのを改めて知った。2019年の話なんだけど、要は半導体の民主化の話で、それがいまのGoogle/SkywaterのMPWにつながっている、ということ。そのときは"CLaaS"(Custom Logic as a Service)と呼んでいたようだ。

午後、M5Stackへおじゃました。社長のJimmyは変わらず忙しそうだけど、移転したばかりの社内・工場を案内してくれたり、最近のこととか、自分がやってみたいこと、などの話をしていた。とりあえずアイディアから製品化するまでの一通りをインターンでやってみたい、という話をして、「欲しい物のアイディア」を考えてみることになった。これは面白そうだ。ちなみにこの写真の右端は、UIFlowの改良とかでお世話になりっぱなしの"IAMLIUBO"氏(@its_hard_2_name)。会えてよかった。

Jimmyの机は、親近感しかない。

となりの試作室の部品棚。

小さい基板の製品は、ここでマウンタでSMTして量産してしまう。それ以外も含めて量産のラインが同じフロアにある。すぐとなりに部品倉庫がある。なお大きめの基板は外の工場でPCBAするらしい。

出荷前の製品の棚。このまえTaoBaoで注文したやつも、ここから発送されたんだな。

続いて、Elecrowへ。こちらも3年前におじゃましたときより、従業員数2倍、フロアも2倍になってた。自社製品に力を入れていて、いまクラウドファンディング中のGrowCube以外にも、RasPiを入れてノートPCっぽくするCrowPiが、ドイツ向けのOEMとして量産されていた(いわゆる贴牌)。

そのとき、いつもPCBAのマネージを担当してくれているMikeが、前回会ったのを覚えてくれていて声をかけてくれた。「え?この前のやつ、なんかマズかった?」と聞かれたので、いやいやいやそうじゃない(笑)と。ほんと真面目だなあ。

続いて、iMakerBaseへ。ここのことは、これまでに何度か高須さんから話を聞いているんだけど、いまいち全体像がよくわからなかった。でも今日、改めて訪問して、なんとなく全体像が見えてきた。要は入居型シェアオフィス+資金調達のVCなんだけど、設計や量産のサポートが手厚くあり、特に射出成形は下のフロアに工場があって金型もそこでつくってくれる。外国人が起業した数、みたいな成果指標があって、それにあわせて行政から補助が出る、みたいな枠組みもあるそうだ。

これがその下のフロアにある射出成形工場。小ロットなら十分に量産できる。

22/05/19, Thu

JLCPCBに出していたPCBAが届いた。注文が5/13夕方、発送通知が5/17朝、着荷が5/18夕方だから5日間。送料200円が安いなー。早いなー。

PolySWだけ在庫なしだったのでそれ以外でPCBAを頼んでいた。そこでこれだけ手付けして動作確認。CH552のブートローダのバージョンが上がっていた(v1.5.0)ので、古いch55xduinoでは動かなかった。

委託販売しているProMicroCH552の在庫がだいぶ減ってきたので、こちらで仕込んで日本に向けて納品しようと思う。

22/05/20, Fri

おとといの高須さんが指摘してた、基礎研究が多いという話を、安先生としてみた。そこはやはり中国でも悩ましいところだそうで、論文を書ける分野はできるんだけど、すぐに書けない分野は肩身が狭い(助成金がおりにくいとか)はあるんだそうだ。

もう1つ、おととい高須さんが安先生と話をしている中で、研究しているステレオ視SoCで起業を考えている、という話を聞いたと聞いたので、もう少し詳しく聞いてみた。教員がしている研究をベースに起業するのは、まだそんなに一般的ではないそうで、先行ケースになることを期待している、とのこと。実際にやるとなったら、安先生自身が主体でコミットするのではなく、別の人がコミットする予定で、安先生はサポート(相談役?)とのこと。それに加えて、学生に給料をあげて設計などをしつつ、それが研究にもなって論文にも書ける、というのを目指しているとのこと。すばらしいケースだと思うので、ぜひがんばってほしい。大学とスタートアップ企業の距離感、みたいな話は、実はあまり関係なくて、実は知り合いが半導体製造ファブやVCにつとめてる、みたいなことはよくあって、シームレスにつながってるんじゃないか、という気もする。

22/05/21, Sat

前から気になっていたんだけど、SMEの教員の中に周先生という方がいて、ご専門をみると、かなり自分に近い。いわゆるシリコン網膜と呼ばれるbio-inspiredなイメージセンサからはじまって、センサ上/付近での信号処理系のつくりかた、抵抗網(本当の専門はこのあたりの不揮発性メモリの材料みたい)でニューラルネットをつくってスパイクニューロン、と、かなりキーワードがヒットするので、もう少し詳しく話を聞いたり情報交換をしたい(ちなみにとても若い優秀な方のようだ)。そこで安先生に仲介をお願いしてWeChatのグループをたててもらった。ぜひ、とのことだったので、もう少し持ちネタの資料をまとめてから、直接お話をしたいと思う(ちなみに現在出張中で来週火曜に深センに戻るらしい)。しかしWeChatだと話の進みがはやい。

査読を依頼されていた論文を、ざっと一通り読んだ。明日、もうちょっと詳しく読む。


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