淄博からの帰りの飛行機、窓側の席だったので、ずっと外を見ていた。山東省のあたりはほとんど平野で、土地はいくらでもあることがわかる。つまり農地にするにも太陽電池を置くにも、都市を作って人が住む(「都市は人類最高の発明である-エドワード・グレイザー」の通り、エネルギー効率は都市が一番よい)にも、まだいくらでも成長の余地はあるんだなあ、と思う。日本にいると、なかなかこの感覚はわからない。
こんな感じで、風力発電の風車も、平野にぽつぽつ立ってる。
広東省に入って深センに近づくと、都市が増えてくる。
リーマン予想Tシャツ、届いた。通販荷物の袋が、なかなか好感度たかい。
JLCPCBに出してたメタルζ関数(断面)、届いた。s=1のツノが、かなりシャープに出てる。断面のところで、非自明なゼロ点の凹み具合が、かなりいい感じに見える。よきよき。
JLCPCBに出してたスタックチャンのメタル成形の足、とどいた。かなりずっしりくるので、だいぶ安定しそう。サーボホーン固定ネジも届いたので、明日組み立ててみよう。
ちょっと時間があったので久しぶりに本屋に行ってきた。訳本だけど、アナログ回路設計、スライドごとに説明が入っていて、だいぶ詳しい。
NB-IoTのけっこう詳しい例示も豊富な本。あまり日本ではこういう本は見かけないような。
マイコン(8051)のプログラミングテクニック本。半分くらいアセンブラだった。ガチだな。
WCHのCH32V307を題材にしたRISC-V本。
OpenWRTを使ったWiFiルータ改造。
コンピュータ・アーキテクチャというか自作CPUの教科書なんだけど、16ビット可変長命令とか、3段パイプラインとか、けっこうガチめ。
午後は、Seeedへ。そこに行く途中、兴东の駅から自転車で行ったんだけど、途中でJENESISが入っているビルがみえた。
Seeedといえば深セン発のMakerの先駆者だけど、最近はすっかり大きな会社になって、Maker向けの製品・サービス以外も手広くやっている。こちらはSensCAPという農業など向けのIoTセンサシステムの実証・テスト用のベランダ。スタートアップの頃の名残で卓球台がある。
と、それにあわせて、エンジニアとそれ以外(マーケティングなど)がはっきり分かれて、ギークがどれぐらいいるのかもよくわからない。例えばMakerFaireのブースで説明している人はエンジニアじゃないことが多くて、ハードウエア構成とかの詳しいことは話が通じないことが多い。
それでもかろうじて、受付のところにこんなものは置いてある。
5年ほど前にFusionPCBの部品ライブラリ(OPL)の追加部品を設計するボランティアをやったことがあるんだけど、謝礼のクーポンをもらうより、リリース記事に謝辞として名前を載せてもらったほうが、よほどうれしかった(残念ながらこのリンク先のリリース記事のページは削除されてしまったようでArchive.orgでもみつからない・・・悲しい)。いまのようなSeeedで、開発者コミュニティとどう関係をつくっていくか、は、いい方法がよくわからない。そもそも日本以外ではビジネスとして成り立ちにくい、のこもしれないなあ。
スタックチャンのメタル成形の足、ネジの穴が寸法通りだったのでちょっとキツい(3Dプリンタあるある)けどねじこめば大丈夫。
ただFeeTechのFS90についてるネジがちょっと細くて空回りしちゃう。サイズ間違いなんかな。M2.6っぽいけどピッチが違う気もする。データシートには記載がないようだ。困ったな。よく見たら同梱に普通のM2.6っぽいネジが入っていた。ただちょっと短くて、M2.6x10くらいがほしいところ。TaoBaoだと1000個単位なんだよな・・・と思ったら、六角穴のなら50個単位のがあったのでポチった。
今日の午後は「セキュリティ・キャンプ2022全国大会で1コマ担当(Zoomオンライン)、「チップレベルでカスタマイズができることで見える世界の体験」。
CPUをチップ設計図(GDS)にまでしてみることで、コンピュータをよく理解しよう、というのと、そして半導体を道具に持つといいことがあるよ、という話。
最近の大規模すぎるCPUは検証が追いつかなくて脆弱性が残っちゃうことがあるけど、小規模なものならまだ人間が理解できる範囲なので、そこからやってみよう、という話。自作CPUは人間の三大欲求の一つという説もあるし(残りの2つは自作OSと自作プログラミング言語)、小規模CPUならばロジックICで作れる、という例として、NT金沢などで展示もしているFatS氏の作品も紹介しながら、オープンソースなツールQflowでRISC-V(poyo-v)を論理合成・配置配線する実習を入れたんだけど、思ったより配置に時間がかかってしまったので、あとは各自で、と。
そして半導体を道具に持つことは、これまで「できると思ってすらいなかった」ことを実現できるチャンスを持つこと。そしてその世界は、確実に近づいている。楽しみしかない、という話。言い換えるとまさに「何を作りたいかを問いかけられている」わけで、いまからでも考えておいて早すぎることはない。
最後の30分は、その関連でMakeの話(雑談)をしていて、「道具はそろった、あとは熱意」ということで冷えミクやチップマウンタ本、「みなさんが忘れている作りたいものの熱意」の例としてハルロックの話などをしていた。Zoomチャットをみていると、それが一番、受講生の印象に残ったのかもしれない。
で、よく見たら、井田さんが夕方のクラスでRISC-Vのハッキング講座をやっているのを見つけた。
今日は福田区にある会展中心(コンベンションセンター、幕張メッセやビッグサイトみたいなところ)にUAS Expo(いわゆるドローン展)を見に行ってきた。UASってなんだっけ?と思って調べてみたら、Unmanned Aircraft Systemの略で、無人航空機システムのこと、アメリカFAAではこれのことをドローンと呼ぶようだ。似た言葉として、UAV (Unmanned Aerial Vehicle)というのがあって、世間一般ではこちらをドローンと呼ぶようだ。ドローンというと、プロペラが4個とかついててブーンと飛ぶやつを思い浮かべるけど、そういうのだけじゃなくて、固定翼の飛行機型のもある。ちなみにプロペラが複数あるのは、構造上の分類ではマルチコプタと呼ぶ。
マルチコプタは、個人用も業務用もDJI(ちなみに深センにある会社)の一強、という情勢なんだけど、いろいろな用途特化型ドローンや、要素技術・部品など幅広い。
入り口で、一人乗りタクシードローンがお出迎え。
固定翼ドローンなんだけど、離着陸時は主翼の端のプロペラがオスプレイのように上に向く。原理上、ヘリコプターのように下に風を送って浮くマルチコプターはエネルギー効率が悪くて稼働時間も飛行距離もが短くなりがち。固定翼型は水平飛行時にはエネルギー効率が圧倒的にいいので、飛行距離を大きく伸ばせる。で、離着陸時だけ垂直に移動させよう、という方針。
ドローン用のSDR(ソフトウエア無線)や電源制御の専用ICをつくっている会社の製品。
可視光や赤外、ズームもついたドローン用カメラいろいろ。
マルチコプター用のモータ。
操縦用ARゴーグル。DJIのドローンのコントローラにつなげるようだ。
ドローン専用というわけでもないんだろうけど、サーボの会社もけっこうあった。小型から大型までいろいろ。
カーボン素材で軽くて丈夫なローター(プロペラ)。
ドローン専用というわけでもないけど、ステレオ視専用ICを使った深度カメラ。いくつか製品が展示されていた。
STEAM教育っぽい会場。子どもたちがFPVでDJIのRoboMasterを操縦してた。
その横でドローンサッカー大会、というのをやってた。6人が1人1台の球形ドローンを操縦して、両端にあるリングを通らせる競技っぽいんだけど、ルールがいまいちよくわかんなかった。
このまえ淄博にあった山東理工大のスマート農業のブース(ただしあまりやる気を感じられない)。
最近の流行りなのか、水素燃料電池ドローンもいくつかあった。ただ稼働時間などで優位性があるのかははっきりとは書いてなかった。
ドローンをサービスのビジネスととらえて、ワンストップのソリューション提供の会社。ありがち。
一人乗りのドローン。一応実際の飛行は成功しているようだ。
ドローンショー用の小型LED付き群ドローンのスタートアップ企業。ただバッテリがフタをあけて交換とか、まだ発展途上っぽい。
消火用とかの直径2m近い大型のマルチコプターもある。
防水ドローン、というのもあった。魚も釣れる、と書いてある。ほんまかいな。
照明LEDがついていて、上空から照らす仮設照明のように使えるドローン。有線のものもあって稼働時間を心配しなくていいものも。これは一定のニーズがあるようで、いくつかあった。
ドローン用の故障時に使うパラシュート。同じようにドローン用が水面に落下したとき用の「うき」もあった。いずれもDJI製品につかえられる。これ、先日のUAV Congressの懇親会で同じテーブルだった人の会社の製品で、覚えててくれたようで声をかけてくれた。
ドローンで水質検査用のサンプル取得。
こちらはDJIの業務用のドローン。いろんなセンサがはいっている。
ちなみに、このドローン展にこれまで何度か来ている高須さんの話だと、だいぶ規模が小さくなっているらしい。コロナ禍で展示会イベント自体が縮小傾向(延期・中止はしょっちゅうなので、イベント主催側も出展する側もやりにくい)だからか、ドローン産業がDJIのような大手に集約されつつあるからか、はわからない。
ちなみに隣のブロックでは下着展をやっていた。
ちなみにInternationalというだけあって、Webページからさくさく登録できて入場用QRコードが生成できた。さすが。
スタックチャンをUIFlowで動かしたいなー、と思っていたら、ささみさんが作られたカスタムブロックを公開されたようだ。
UIFlowでサーボをスロープ制御のCustomブロック、できた。だいぶ生き物っぽくなる。
こんな感じで、開始終了角度、トータル時間[ms]、加減速の時間[ms]を指定すると、そのとおりに動く(とりあえずいまはブロッキング制御)。カスタムブロックの作り方はこのあたりを参考に。
M5Stackで売ってるサーマルカメラのM5StickT2、こっちだと3000元だから6万円くらい。日本で買うと8万円くらいするから、2万円近く安いんだよなー。買うかどうか迷う。
今日、蛇口のほうで、自動運転のデータ収集車がいた。
このまえ申し込んでいた(けど聴講できなかった)半導体計測技術のオンライン講演会をみつけた半導体関連のニュースアカウントから、「面向先进封装的半导体测试技术」(https://www.siscmag.com/seminar/into/20220825)というオンライン講演会の案内をもらった。主にパッケージングに関する計測技術のセミナーのようだけど、覗いてみようと思う。
今日はオンライン講演会の聴講や資料作成だったので、メインキャンパスの図書館にきていた。で、ついでなので、本棚をぶらぶら。
なかなかマニアックな本をみつけた。PSoC3でロボット設計(ただし内容は簡単なモータ制御まで)
PSoC4の本もあった。
Vivadoをはじめよう
こんな本もあるんだな。訳本じゃないんだけど、これを読んでも、この国ではGoogleは使えないはずなんだけどな。
来週の金曜に、香港城市大学(HKCU)の深センオフィスにおじゃまする予定なんだけど、午後ちょっと時間があったので、下見を兼ねて、そのオフィスがあるエリアに行ってみた。最寄り駅は地下鉄の福保駅。香港に近いこのエリアは保税区、つまり自由貿易区で、物流企業の拠点以外に、香港との合弁会社やハイテク特区がある地区のようだ。
Western Digitalの工場なんかもある。
HKCUの深センオフィスが入っているビルがあるのは、「深港国際科技园」というエリアで、隣は医薬技術パーク。
HKCUの深センオフィスが入っているビル。ただ設立間際にコロナ禍になってしまって、まだ正式オープンはしていないんだそうだ。ビルも閉鎖はされていないけど閑散としていた。
相変わらず自動運転のデータ収集車をみかける。8/1に「深セン経済特区スマートコネクテッドカー管理条例」が施行されて、自動運転タクシーの営業運転ができるようになったんだそうで、こういうデータ収集も活発になっていくんだろうな。
駅のコンコースの天井、計算途中のシルピンスキーのガスケットみたいな模様。
そういえば先日のSeeedを訪問したあたりから、マーケティングとエンジニアの関係について、いろいろ考えている。ハードウエアスタートアップで、エンジニアが社長やコアメンバだったりすると、製品について思い入れもあるし中のことも詳しいから、例えば展示会とかで売り込みに行くにも、仕事というより熱意でいっちゃう(いけちゃう)し、なぜそれを作ったのかという思いももちろん語れるし、中の詳しいことを聞かれても、もちろん答えられる。それが会社が大きくなると、作る人(エンジニア)と売る人(マーケティング)は別の仕事になって、展示会ではマーケティングの人が売り込みをしたりするわけで、中のことを聞かれても詳しいことはわからない、となるし、なぜそれをつくったのか、みたいな熱意のところは、まあ「お仕事」になっちゃう。一般的な消費者がターゲットなら、そういう中の詳しいことは聞かないし知らなくてもいいから、「売り込み」のやり方はあるし、それが一般的。でも特に自分でものをつくるMakerが買う製品・サービスだと、そういうマーケティングの人とはぜんぜん話があわない。例えば「その製品(サービス)、自分で使ったことあります?」という話。最初はスタートアップでも、徐々に会社が大きくなると、そういうのが増えてきちゃうのはしょうがないのはわかるんだけど、なんというか、もんもんとする。そういうMakerを味方につけて仲間に巻き込んでいくのが、お互いにとってハッピーだと思う。例えば自分は以前、SeeedのFusionPCBのOPLという部品ライブラリ作成のボランティアをやったけど、それは純粋にFusionPCBのファンだったからで、謝礼にクーポンをちょっとだけもらったけど、それは正直どうでもよくて、それよりそのOPLリリーズ時のblogに、自分の名前がcontributorとして載せてくれていたのがめちゃめちゃうれしかった。それとM5StaackのM5GOのドキュメントの日本語訳(ここのTutorialをしたのも、純粋にファンだったからだし、それを任せてくれたのもエンジニアでもあるCEOのJimmyだった。そういう、クーポンをあげる、とか、インフルエンサーに謝礼渡して宣伝してもらう、以外のマーケティング方法が、あると思うんだよなあ。
今日はひょんなことからiMakebaseに行くことになったので、せっかくなので、iMakerbaseで所有しているデジタル加工機の確認。基本的にiMakerbase入居しているTroubleMakerという会社(グループ?)の部屋にあるんだけど、普段は使っていないしiMakebaseの機材だから使ってOKとのこと。
こちらは雷宇激光のレーザーカッター。60WくらいのCO2レーザーみたいだけど、加工エリアがけっこう広い。ただ排気装置などが未開封のままで、まともに使った形跡はなさそうだ。制御アプリとかを調べておこう。
こちらはSnapMakerというメーカの3Dプリンタで、ヘッド部分に加工用ユレーザーや切削用スピンドルをつけられる。こちらもまともに使った形跡はなさそうなので、アプリを調べてみよう。
メーカ名・型番まではみなかったけど、普通の3Dプリンタもあった。
あと顕微鏡やホットエア、ステーションはんだごてはありそうだ。